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白血球系・造血器腫瘍疾患(白血病、悪性リンパ種、多発性骨髄腫等)で障害をお持ちの方


以下の「臨床所見」と「検査所見」、「一般状態区分」を参考に障害の程度と障害の状態1級~3級をご覧ください。

1.臨床所見

  • 発熱、骨・関節痛、るい痩、貧血、出血傾向、リンパ節腫脹、易感染性、肝脾腫等の著しいもの

  • 輸血をひんぱんに必要とするもの

  • 治療に反応せず進行するもの

  • 発熱、骨・関節痛、るい痩、貧血、出血傾向、リンパ節腫脹、易感染性、肝脾腫等のあるもの

  • 輸血を時々必要とするもの

  • 継続的な治療が必要なもの

  • 継続的ではないが治療が必要なもの

(注1)こちらで掲げる治療とは、疾病に対する治療であり、輸血などの主要な症状を軽減するための治療(対症療法)は含まない。

 

(注2)こちらで掲げる治療に伴う副作用による障害がある場合は、その程度に応じて、区分をⅡ以上とする。

2.検査所見

  1. 末梢血液中のヘモグロビン濃度が7.0g/dL未満のもの
  2. 末梢血液中の血小板数が2万/μL未満のもの
  3. 末梢血液中の正常好中球数が500/μL未満のもの
  4. 末梢血液中の正常リンパ球数が300/μL未満のもの

 

 

  1. 末梢血液中のヘモグロビン濃度が7.0g/dL以上9.0g/dL未満のもの
  2. 末梢血液中の血小板数が2万/μL以上5万/μL未満のもの
  3. 末梢血液中の正常好中球数が500/μL以上1,000/μL未満のもの
  4. 末梢血液中の正常リンパ球数が300/μL以上600/μL未満のもの

 

 

  1. 末梢血液中のヘモグロビン濃度が9.0g/dL以上10.0g/dL未満のもの
  2. 末梢血液中の血小板数が5万/μL以上10万/μL未満のもの
  3. 末梢血液中の正常好中球数が1,000/μL以上2,000/μL未満のもの
  4. 末梢血液中の正常リンパ球数が600/μL以上1,000/μL未満のもの

3.一般状態区分

無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの
軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの  例えば、軽い家事、事務など
歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの
身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの
身のまわりのこともできず、常に介肋を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの

障害の程度と障害の状態


初診日に国民年金、厚生年金保険のどちらかに加入していた方

【1級】

  •   臨床所見Ⅰ欄に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見があり、検査所見Ⅰ欄に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見があるもので、かつ、一般状態区分表のオに該当するもの

【2級】

  • 臨床所見Ⅱ欄に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見があり、検査所見Ⅱ欄に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見があるもので、かつ、一般状態区分表のエ又はウに該当するもの

初診日に厚生年金保険に加入していた方は以下も該当します

【3級】

  •  臨床所見Ⅲ欄に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見があり、検査所見Ⅲ欄に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見があるもので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの

4.検査成績

検査成績は、その性質上変動しやすいものであるので、血液・造血器疾患による障害の程度の判定に当たっては、最も適切に病状をあらわしていると思われる検査成績に基づいて行うものとする。

特に、輸血や補充療法により検査数値が一時的に改善する場合は、治療前の検査成績に基づいて行うものとする。

5.造血幹細胞移植の取扱い

  • 造血幹細胞移植を受けたものに係る障害認定に当たっては、術後の症状、移植片対宿主病(GVHD)の有無及びその程度、治療経過、検査成績及び予後等を十分に考慮して総合的に認定する。
  • 慢性GVHDについては、日本造血細胞移植学会において作成された「造血細胞移植ガイドライン」における慢性GVHDの臓器別スコア及び重症度分類を参考にして、認定時の具体的な日常生活状況を把握し、併合(加重)認定の取扱いは行わず、諸症状を総合的に認定する。
  • 障害年金を支給されている者が、造血幹細胞移植を受けた場合は、移植片が生着し、安定的に機能するまでの間を考慮して術後1年間は従前の等級とする。

6.血液・造血器疾患

血液・造血器疾患の病態は、各疾患による差異に加え、個人差も大きく現れ、病態によって生じる臨床所見、検査所見も、また様々なので、認定に当たっては、他の一般検査、特殊検査及び画像診断等の検査成績、病理組織及び細胞所見、合併症の有無とその程度、治療及び病状の経過等を参考とし、認定時の具体的な日常生活状況等を把握して、総合的に認定する。


他の障害の種類による認定要領について