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肝硬変、多発性肝腫瘍、肝ガン、慢性肝炎など
肝疾患による障害の程度は、自覚症伏、他覚所見、検査成績、一般状態、治療及び病状の経過、具体的な日常生活状況等により、総合的に認定するものとし、当該疾病の認定の時期以後少なくとも1年以上の療養を必要とするものであって、長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のものを1級に日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものを2級に、また、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のものを3級に該当するものと認定する。
以下の「肝疾患の検査項目、臨床所見並びに異常値」と「一般状態区分」を参考に障害の程度と障害の状態1級~3級をご覧ください。
脳症における昏睡度分類
Ⅰ |
睡眠一覚醒リズムに逆転。
多幸気分ときに抑うつ状態。 だらしなく、気にとめない態度。 |
Ⅱ |
指南力(時、場所)障害、物をとり違える(confusion)
異常行動 (例:お金をまく、化粧品をゴミ箱に捨てるなど) ときに傾眠状態(普通のよびかけで開眼し会話が出来る) 無礼な言動があったりするが、他人の指示には従う態度を見せる。 |
Ⅲ |
しばしば興奮状態またはせん妄状態を伴い、反抗的態度をみせる。
嗜眠状態(ほとんど眠っている)。 外的刺激で開眼しうるが、他人の指示には従わない、または従えない(簡単な命令には応じえる)。 |
Ⅳ |
昏眠(完全な意識の消失)。
痛み刺激に反応する。 |
Ⅴ |
深昏睡
痛み刺激にもまったく反応しない。 |
ア | 無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの |
イ | 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの 例えば、軽い家事、事務など |
ウ | 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの |
エ | 身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの |
オ | 身のまわりのこともできず、常に介肋を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの |
【1級】
各等級に相当すると認められるものを一部例示すると次のとおりである。
【2級】
身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
各等級に相当すると認められるものを一部例示すると次のとおりである。
肝疾患での検査成績及び臨床所見のうちが中等度又は高度の異常を3つ以上示すもので、かつ、一般状態区分表のエ又はウに該当するもの
【3級】
身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労備に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの
各等級に相当すると認められるものを一部例示すると次のとおりである。
肝疾患での検査成績及び臨床所見のうちが中等度又は高度の異常を2つ以上示すもので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの
肝疾患による障害の認定の対象は、慢性かつびまん性の肝疾患の結果生じた肝硬変症及びそれに付随する病態(食道・胃などの静脈瘤、特発性細菌性腹膜炎、肝がんを含む。)である。
肝硬変では、一般に肝は萎縮し肝全体が高度の線維化のため硬化してくる。
肝硬変で最も、多いものは、B型肝炎ウイルスあるいはC型肝炎ウイルスによるウイルス性肝硬変であり、その他自己免疫性肝炎や非アルコール性脂肪肝炎による肝硬変、アルコール性肝硬変、、胆汁うつ帯性肝硬変、代謝性肝硬変(ウィルソン病、ヘモクロマトーシス)等がある。
肝疾患の主要症状としては、易疲労感、全身倦怠感、腹部膨満感、発熱、食欲不振、悪心、嘔吐、皮膚そう痒感、吐血、下血、有痛性筋痙攣等の自覚症状、肝萎縮、脾腫大、浮腫、腹水、黄疸、腹壁静脈怒張、食道・胃脈瘤、肝性脳症、出欠傾向等の他覚所見がある。
検査としては、まず、血球算定検査、血液生化学検査が行われるが、さらに、肝炎ウィルス検査、血液凝固系検査、免疫学的検査、超音波検査、CT・MRI検査、腹腔鏡検査、肝生検、上部消化管内視鏡検査、肝血管造影等が行われる。
肝硬変は、その発症原因によって、病状、進行伏況を異にするので、各疾患固有の病態に合わせて認定する。アルコール性肝硬変については、継続して必要な治療を行っていること及び検査日より前に180日以上アルコールを摂取していないkとについて、確認のできた者に限り、認定を行うものとする。
慢性肝炎は、原則として認定の対象としないが、障害の状態によって認定の対象となる場合もある。
食道・胃などの静脈瘤については、吐血・下血の既往、治療暦の有無及びその頻度、治療効果を参考とし、検査項目及び臨床所見の異常に加えて、総合的に認定する。特発性細菌性腹膜炎についても、同様とする。
肝がんについては、検査項目及び臨床所見の異常に加えて、肝がんによる障害を考慮し、「悪性新生物による障害」の認定要領により認定する。ただし、(検査項目及び臨床所見の異常がない場合は、「悪性新生物による障害」認定要領により認定する。
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